Max新京成電鉄 電車基地見学・展示会報告

第5回 1998年(平成10年)10月18日(日)


 当日は、台風が日本を通過しただけあって、午前中は風とにわか雨に泣かされましたが、午後からは多少風が強いものの、晴天にめぐまれました。

 さて、展示物の方ですが、順路通りに紹介してゆくと、まず、「パンタグラフと架線の構造」がありました。ここでは、目の高さに数メールくらい架線が張ってあり、ボタン操作によって上げ下げできるようになっていました。「踏切遮断器と警報機・特殊信号発光器・三現示信号機・高速度遮断器他」でも、ボタン押すことで、遮断器を閉める動作や、警報機の音を鳴らせることができました。ほかにも電気関係の部品がいくつか並んでいましたが、私にはイマイチよくわかりませんでした。

 「大パノラマ鉄道模型運転会」のコーナーは、4.5×3.0メートルという、模型のレイアウトが展開されており、また、模型の運転が、本物の800形や8800形の運転台で運転できるとあって、子どもさんが順番に並んで、模型の運転を楽しそうに行っていました。

 「一体圧延車輪と防音リング付車輪」の場所では、8900形などに使用されている車輪が展示されていました。ハンマーを貸し出していて、その防音度を確かめることもできました。

 かつて、京成から譲渡され新京成で活躍した、100形の台車、「ST17A台車」も展示されていました。さらに、新京成が全通する前、線路敷設工事の際に使われ、全通後はずっと放っておかれていたトロッコ、「97式貨車」を復元されて展示されていました。展示場所が工場であるため、ヘルメットを借りてそれらを下から見ることもできました。

 一番奥の広場では、時間を決め交互に「こども広場」と沿線の中学校の吹奏楽団による演奏会場となりました。こども広場では、クイズ大会など行って盛りあがっていました。演奏会場では、こども向けの歌や、ヒット曲を中心に演奏されていて、いろいろな人が楽しめるものとなっていました。

 「あーととれいん’98原画展」のコーナーでは、後述の電車車体美術展の原画が展示されていました。沿線の高校生の手によって描かれたものだそうです。「鉄道今昔写真展」では、新京成全駅の今と昔の写真や、鉄道車両の変遷などが、写真にて掲示されていました。

 「車輪転削盤」では、800形857の車輪の転削を、時間を決めてやっていました。実際の車両の車輪を削っていたので、迫力がありました。「電車の戸閉装置」では、実物大の扉部分が設置されており、車掌になった気分で、戸閉、再開閉を体験することができました。

 「パソコンによる電車運転体験」のコーナーでは、京浜急行のシミュレーターなどが自由にできるようになっていました。さすがに新京成のシミュレーターはありませんでした。

 「鉄道模型展示」では、新京成の開業時に走行していた、モハ39形41号車の1m弱ある模型や、かつて新京成に走っていた車両のHOゲージ模型が展示されていました。また、8900形登場前の候補のデザイン画も貼られていました。

 「8900形車両展示と記念撮影」のところでは、8900形(8921〜8924)の車内が休憩場所となっていました。また、先頭車の部分では運転室に入れてくれ、記念撮影もできるようになっていました。ただ今回は風が強くて、車両の外での記念撮影は例年に較べ人は少なめでした。

 そのとなりでは、「電車車体美術展」の会場となっている「あーととれいん’98」

が留置されていました。これは、8800形(8865〜8872)を利用したもので、車体の側面に、1車両あたり4枚の絵画が貼られているものです。

 今回は「車両部品展示&販売」のコーナーもありました。吊り輪がタダだったので、輪を手首に2、3個通している子どもが多く見られました。

 「VVVFインバータ装置模型展示」もありましたが、電気に詳しくないので、あまりよくわかりませんでした。また、「レールの変遷・軌道の構造」の展示もされていました。実物を目の前で見ることができたので、なかなか貴重でした。

 一番人気だったのが、「モハ807号運転台」でした。モハ807号運転台は、廃車された800形の先頭車、807の運転台部分を切断して、さらにモーターを接続して、運転体験をしてもらおうというものでした。今回も、運転状況に応じて、前面のプロジェクターにより京成の車窓が映しだされていて、800形があたかも京成に乗り入れているような感覚も楽しむことができました。このコーナーはやはり、子どもさんの列が絶えることがありませんでした。

 SKカードの販売や、見学記念のスタンプを押すコーナーもありました。風が強くて大変そうでした。

 最後に、導入されたばかりの「ノンステップバス」

が展示されていました。このバスは、松戸営業所のいすず車、I−773でした。車内が開放されていて、運転席に座れたり、車高を低くできたりしました。やはりクラクションを鳴らす人が多かったです。